平城遷都物語

かつて「大和」と呼ばれ日本という国の発祥地とも言われる「奈良」この「ならのみやこ」とはつまり「平城京」にあたる。「那羅」「平城」「寧楽」と書いて「なら」と読む事もあり、平安京(京都)に遷都した後は南都(なんと)と呼ばれた。「奈良」の語源としては「平らな、平坦な(土地)」を意味する「なら(す)」であるという説が有力。
奈良時代の「首都」にあたる平城京。710年(和銅3年)に藤原京から遷都され、2010年で1300年を迎えた。その1300年記念事業として、大極殿が再建され、2010年4月23日には完成記念式典が行われた。この4月23日とは旧暦の3月10日にあたり、元明天皇が藤原京から平城京に遷都した日にあたる。これに先立ち1998年には復元されている。

「あをによし寧楽(なら)の京師(みやこ)は咲く花の薫(にほ)ふがごとく今盛りなり」小野老朝臣が詠んだ万葉集328番からも伺われるように、花の盛りのごとく美しい都。
遷都1300年に向け、都の復元に力を注ぎ、遷都1300年事業では、県内4会場でイベントを開き、遣唐使船を復元した「平城京歴史館」、「平城京なりきり体験館」などの様々な試みを行った「奈良」。その事業を振り返りながら、歴史深い「都」そのものについて再考してみた。

平城遷都1300年記念事業

平城遷都1300年記念事業(へいじょうせんとせんさんびゃくねんきねんじぎょう)とは、現在の奈良県奈良市付近にあった平城京への遷都から2010年(平成22年)で1300周年を迎えることを記念して開催された事業。平城遷都1300年祭とも。主催は奈良県などが設立した平城遷都1300年記念事業協会。

平城宮跡会場は「メイン会場」で、ほかに県内各地で特別イベントや特別開帳が「巡る奈良」事業として開催された。マスコミ等で「平城遷都1300年祭」と言うときは、平城宮跡会場のみを指す場合が多かった。

目的
計画当初は、「美しい日本、はじまりの奈良」を合言葉に日本の歴史文化を世界に発信し、21世紀の地球社会にふさわしい平和で豊かな文化の創造に資するとともに東アジアをはじめ世界各地との交流の拡大を図り、活力と創造性に満ちた社会の構築に寄与することを目的としたが、2008年に合言葉が「日本のはじまり 奈良」と変更され、目的も「日本の歴史・文化が連綿と続いたこと“祝い、感謝する”」ものとされた。
テーマ
「歴史文化の対話と交流」

平城遷都1300年記念事業関連組織

2001年4月に県庁企画室に平城遷都1300年記念事業準備室が設置された。2005年(平成17年)5月に任意団体として平城遷都1300年記念事業協会設立、2008年11月に社団法人化。

総合プロデューサー・理事長

木村尚三郎(東京大学名誉教授) - 2006年10月18日に逝去したため空席となった。

主な平城遷都1300年記念事業協会役員

  • 会長 - 秋山喜久(関西経済連合会相談役、関西電力相談役)
  • 副会長
    • 荒井正吾(奈良県知事)
    • 藤原昭(前奈良市長)
  • 特別顧問
    • 梅原猛(国際日本文化研究センター顧問・名誉教授)
    • 平山郁夫(ユネスコ親善大使、前東京藝術大学学長) - 2009年12月2日死去
    • 奥野誠亮(元国会議員(法務大臣、国土庁長官))
    • 河合隼雄(京都大学名誉教授、国際日本文化研究センター名誉教授、文化庁長官) - 2007年7月27日死去
  • 名誉会長 - 新宮康男(前関経連会長、住友金属工業名誉会長)
  • 顧問
    • 寺田千代乃(関経連副会長、アートコーポレーション社長)
    • 竹内行夫(前外務事務次官)
    • 田代和(前近畿商工会議所連合会長、近鉄相談役)
    • 柿本善也(前奈良県知事)
  • 理事
    • 石森秀三(北海道大学観光学高等研究センター長、国立民族学博物館名誉教授)
    • 千田稔(奈良県立図書情報館館長、国際日本文化研究センター名誉教授)
    • 田辺征夫(奈良文化財研究所所長)
    • 樋口隆康(前奈良県立橿原考古学研究所所長)
    • 中西進(奈良県立万葉文化館館長、国際日本文化研究センター名誉教授、京都市立芸術大学名誉教授)
    • 中村徹(日本観光協会会長)
    • 湯山賢一(奈良国立博物館館長)など
  • 評議員 - 網干善教(関西大学名誉教授・2006年死去)、井沢元彦(作家)、石毛直道(国立民族学博物館名誉教授・元館長)、上野誠(奈良大学教授)、鎌田道隆(前奈良大学学長)、河瀬直美(映画作家)、北岡伸一(東大大学院教授)、さだまさし(歌手)、里中満智子(漫画家)、中邨秀雄(前吉本興業名誉会長)、永井多恵子(前NHK副会長)、西川りゅうじん(マーケティング専門家)、町田章(前文化財研究所理事長)、水野正好(奈良大学名誉教授)、山崎しげ子(随筆家)、山折哲雄(日文研名誉教授・元所長)など他多数。
  • 参与会 - 近畿府県知事、奈良県内選出国会議員。

平城遷都1300年記念事業推進委員会

委員総数153名

  • 会長 - 御手洗富士夫(日本経済団体連合会会長)
  • 委員長 - 下妻博(関西経済連合会会長)
  • 顧問 - 秋山喜久、森喜朗、奥野誠亮、平山郁夫、石原信雄

東アジア地方政府会合実行委員会

委員総数22名

  • 委員長 - 石原信雄(地方自治研究機構会長)
  • 副委員長 - 佐藤行雄(日本国際問題研究所理事長)、谷野作太郎(日中友好会館副会長)
  • 顧問 - 二階俊博(日韓議員連盟常任幹事)、野村明雄(近畿商工会議所連合会会長)、藪中三十二(外務省事務次官)、森喜朗(日韓議員連盟会長)、平山郁夫、瀧野欣彌(総務省事務次官)

日本と東アジアの未来を考える委員会

委員総数95名

  • 委員長 - 平山郁夫(日本美術院理事長)2009年12月2日死去。
  • 委員長代行 - 川勝平太(静岡県知事)
  • 顧問 - 下妻博
  • 幹事長 - 松岡正剛(編集工学研究所所長)
  • 幹事 - 福原義春(資生堂名誉会長)、野田一夫(多摩大学名誉学長)、寺島実郎(日本総合研究所会長)、

小林陽太郎(富士ゼロックス相談役最高顧問)、喜多恒雄(日本経済新聞社社長)

平城遷都1300年記念事業推進議員連盟役員

2007年11月15日現在、総員115名

  • 会長 - 森喜朗
  • 顧問 - 中川秀直、中川昭一、丹羽雄哉、青木幹雄、片山虎之助
  • 副会長 - 麻生太郎、伊吹文明、高村正彦、古賀誠、谷垣禎一、津島雄二、中山太郎、二階俊博、町村信孝、山崎拓、与謝野馨
  • 幹事長 - 河村建夫
  • 幹事 - 大島理森、尾身幸次、久間章生、小坂憲次、小杉隆、塩谷立、島村宜伸、下村博文、武部勤、中馬弘毅、渡海紀三朗、中山成彬、西村康稔、額賀福志郎、鳩山邦夫、福田康夫、細田博之、柳沢伯夫、尾辻秀久、小野清子、北川イッセイ、中曽根弘文、舛添要一
  • 事務局長 - 棚橋泰文
  • 事務局次長 - 奥野信亮、鍵田忠兵衛、高市早苗、田野瀬良太郎

当初計画

当初は下記4事業を2010年の1年間を通して実施する計画であったが、その後大幅に変更された。

平城宮跡事業
平城宮跡会場にパビリオンを設置する予定だったが、文化庁が難色を示したため断念。
平城京・広域ネットワーク事業
飛鳥京など県内外の古都旧跡地域と連携する。
国際コンベンション事業
ユネスコなどと連携して各種国際会議やイベントを開くとされていた。
文化創造・市民参加事業
市民・民間団体が手掛ける事業。

事業の変更

平城宮跡会場では2010年4月から約半年間、大極殿前広場を映像と音を駆使した大規模な屋外劇場(大極殿シアター)をシンボルに天平の風景を立体映像で疑似体験できる「平城京時空館」や当時の市場のにぎわいを再現し日本各地の名産名品が一大集結する「平城京バザール」、豊かな歴史文化と美しい自然の楽しさを体験できる「なら歳時記ミュージアム」など、歴史体験型パビリオン10棟を特設する予定であった。

しかし、平城宮跡でのパビリオン建設は文化庁が難色を示したため断念された。その具体的な経過は明らかにされていない。

国の2008年(平成20年)度予算案には平城宮跡の国営公園化が盛り込まれており、2008年度から国営公園としての整備が行われる見込みであるが詳細は未定である。国営公園の開設式は平城遷都1300年記念事業に合わせて、2010年春に行われる予定である。

2008年2月に公表された新実施基本計画案では事業規模を大幅に縮小し、記念祝典を中心イベントとすることとされた。「平城京歴史館」(仮称)と「四季のなら館」の2館が建設されることとなったが、これらの施設は国営公園事業の一環として建設され記念事業後も存続するもので、奈良市ではパビリオンではないと説明している。 結局、「平城京歴史館」は宮跡に隣接する土地に建設され、閉幕後は再オープンし、宮跡内の施設と同様に案内されている。「四季のなら館は」建設されなかっ た。「平城京バザール」は仮設建物として実現し、「平城京時空館」の内容は立体映像ではないものの、平城京歴史館内にてVRシアターとして実現した。また 大極殿前ではコンサートなど音楽イベントも行われるなど、仮設建物やイベントなどとして開催したようである。

基本方針

「語る」「楽しむ」「つくる」の3つの視点で多くの主体の参画を得て、多種多様なイベント展開を目指す(国際会議、シンポジウム、大規模展示・展覧会、フェスティバル、パフォーマンス、コンサート、映画、舞台芸術、飲食スポット、アミューズメントなど)。

当初計画

総事業費 - 300億円

  • 記念事業全体 2010年の1月から12月の1年間 - 1,500万人集客
  • 平城宮跡事業 2010年の春-秋の半年間程度 - 500万人集客

資金調達の問題

100億円超の民間資金を予定していたが思うように集まっておらず、事業の全体像がどうなるかは不透明である。

2008年2月の実施基本計画案

総事業費 - 100億円程度

  • 記念事業全体 - 約1,200-1,300万人集客
  • 平城宮跡事業 - 約200-250万人集客

2008年2月に公表された新実施基本計画案では、総事業費が約3分の1の100億円に大幅に縮小された。民間資金は20億円とされ、入場が原則無料となったため営業収入も見込まないこととなった。また、集客見込みも下方修正された。

せんとくんもまっている!

日本の都の原点がある・・